
高尾山といえば、ケーブルカーで登れる、観光客でにぎわう山——というイメージだと思います。でも、その南側には、低山7座を結ぶ「南高尾セブンサミッツ」という、静かでマニアックな縦走路があるんです。
低山だし、と少し油断していました。結果は——19km、しっかり修行でした。しかも僕は欲張って、小仏城山まで足して自称「エイトサミッツ」に。2026年5月、晴天の一日の記録です。
- 今回のルートとアクセス
- 道中レポ:低山、なめてました
- ひとつまみ:その“セブンサミッツ”、元ネタはエベレスト
- 膝が笑った1号路と、ちょっとした成長
- カメラのこと(X-E5+XF23mm)
- まとめ:高尾の人混みに飽きた人の、次の一歩に
- おわりに
今回のルートとアクセス
高尾山口駅 → 草戸山 → 南高尾の峰々(コンピラ山・中沢山・大洞山ほか)→ 大垂水峠 → 小仏城山 → 高尾山 →(1号路)→ 高尾山口駅
- コースタイム(実績):6時間20分(標準タイム9時間30分)、そのうち休憩は約50分でした。
- 歩行距離・標高差:19.1km/のぼり1,369m・くだり1,370m
- アクセス:電車(高尾山口駅起点の周回。ちなみに軌跡がハート型になる“ハートルート”としても知られています)
- 難易度の目安:コース定数36=「きつい」。標高は低いのにアップダウンが延々と続き、距離も長い。体感は完全に中級です。
道中レポ:低山、なめてました
スタート前から、ちょっと緊張。というのも、この時期、近くで熊の出没情報があったんです。熊鈴を鳴らしながら、緑の濃い山道へ。観光地の高尾山とは思えない静けさで、いきなり別世界です。
そして、とにかく急登の繰り返し。低山だからと甘く見ていたら、要所要所でしっかり登らされる。最初のピーク、草戸山は標高364mながら、実は町田市の最高峰。昔は365mあったことから、地元では「一年山(いちねんやま)」とも呼ばれていたとか(365日にかけた洒落ですね)。八王子や町田の街並みがよく見えました。


途中、一度大垂水峠で国道20号を横切るのが、縦走中の妙な非日常感で面白い。そこから小仏城山への、これまた長めの急登。力尽きそうなおじさんを一人抜かして、心配になりながらも山頂へ。


小仏城山の茶屋は大繁盛していました。僕はここでマルタイラーメンを自炊して、カロリー補給。歩いて汗だくになった体に、塩気のあるラーメンが沁みる……山で食べるものは、どうしてこう美味しいんでしょうか。
ここではかき氷が有名らしいので、次は食べようとおもいます。
腹を満たして高尾山へ。ここまで来ると道は一転、よく整備されて、人・人・人。さっきまでの南高尾の静けさが嘘のようで、この落差こそ「高尾山の裏側」を歩いたごほうびかもしれません。


ひとつまみ:その“セブンサミッツ”、元ネタはエベレスト
ところで「セブンサミッツ」って、大げさな名前だと思いませんか。
実はこれ、世界の七大陸最高峰を制覇する登山家の目標「セブンサミッツ」のローカル・パロディなんだそうです。高尾山の南に連なる低山7座を、ありがたく“制覇”と呼んでしまう遊び心。標高300m台の草戸山から500m台の大洞山まで、少しずつ背を伸ばす峰を越えていく——たしかに、ミニチュアの縦走気分が味わえて、これはこれで気分がいい。低山にこういう名前を付けて楽しむ文化、嫌いじゃないです。
今回は、このセブンサミッツに小仏城山を加えて縦走したので、自称「エイトサミッツ」と呼びました。
膝が笑った1号路と、ちょっとした成長
修行の総仕上げは、最後の下り。薬王院を経て1号路へ入るんですが、これが25%くらいの舗装路で、まあまあ膝に来る。土の登山道より、硬い舗装の下りのほうがダメージが大きい。「これ、逆回りで歩いたほうが楽なんじゃ……」と思っていたら、あとで調べたらガイド本でも逆コースが推奨されているらしく、自分の勘がちょっと当たって嬉しくなりました。
それでも、収穫はありました。下りで膝を柔らかく使って“すっと”降りるコツが、少しつかめてきた感覚。そして何より、19km・8座を歩いてまだ余力を残してゴールできたこと。金時山の短コースでヒイヒイ言っていた半年前を思うと、ちゃんと脚ができてきたみたいです。

カメラのこと(X-E5+XF23mm)
天気は晴れ。今回もX-E5に軽いパンケーキのXF23mmで臨みました。19kmも歩くと、この90gの身軽さがじわじわ効いてくる。重いズームの魅力もわかった上で、こういうロングな縦走では、やっぱり軽い単焦点に手が伸びます。
(その「軽さか写りか」で散々悩んだレンズの話はこちら、そもそもなぜ登山にX-E5なのかはこちらに。)
まとめ:高尾の人混みに飽きた人の、次の一歩に
- 難易度:★★☆☆☆(19km・アップダウン多数で体力的には中級ですが危険個所もなく、標高も低くエスケープ可能な点で★2にしました)
- 所要時間:実績6時間20分(休憩 約50分含む、なお、標準は約9時間30分)
- こんな人に:高尾山の人混みが少し苦手な人/低山でロングな縦走の練習をしたい人/とにかく歩きたい人
- ひとこと:体力に不安があれば、逆回り(大垂水峠側から高尾山口へ下る)がおすすめ。そして念のため、熊鈴を。
おわりに
正直、「低山の縦走」と軽く見ていました。でも歩いてみれば、立派な一日仕事。……なのに、いちばん強く感じたのは「もっと荷物を背負いたかった」でした。本当は10kgくらい担いで歩荷練習のつもりが、結局5-6kgほど。
「いつかアルプスでテント泊」を考え始めてから、低山の縦走が、もう“トレーニング”に見えてきている。山との付き合い方が、少しずつ変わってきました。次はいよいよ、もっと骨のある山へ——。やっぱり、沼です。どんどん深い。

